第71回黒鷲旗全日本男女選抜大会
ジェイテクトSTINGS
1
2
パナソニックパンサーズ
3 陳 龍海
6 河東 祐大
7 柳澤 広平
8 柳田 将洋
11 袴谷 亮介
L
17 本間 隆太
4 大竹 壱青
5 渡辺 奏吾
9 今村 貴彦
19 西川 馨太郎
20 新 貴裕
22 小宮 雄一郎
L
17 永野 健
1 藤中 優斗
2 金丸 晃大
4 福山 汰一
10 ティネ・ウルナウト
18 道井 淳平
20 都築 仁
L
21 高橋 和幸
3 中村 駿介
7 垂水 優芽
8 仲本 賢優
11 鈴木 祐貴
L
12 伊藤 友健
16 伊賀 亮平
21 兒玉 康成
――試合を振り返って。
いつものメンバーではありませんでしたが、黒鷲旗で優勝するためには勝っていかないといけない試合でした。途中からメンバーがガラッと代わって、いつもの自分たちのプレーができなくなってしまいました。
――11年間、ジェイテクトSTINGSに在籍しました。
ちょうど僕のバレー人生の半分、20数年の半分をVリーグで過ごしてきました。でも、学生のときに比べてすごく時間が経つのが早かった印象です。あっという間の11年でした。
――何をチームに残したいですか?
ベテランの2人がいなくなるので、コートの外だったりプレー以外のところで、若い世代をどうサポートしていかなければいけないかという姿勢を最後に見せたいですね。それでチームが新たに生まれ変わってくれたらいいと思うので。そういう姿を最後まで見せていきたいと思います。
――道井選手にとって黒鷲旗の位置付けは?
リリーフサーバーとしてコートに立つことの方が多いんですけど、その中でも自分の役割はあるし、試合に出たからにはしっかり相手を崩してチャンスを広げられるようにしなければいけません。セッターとして、もっと自分からチームを鼓舞していけるように明日から頑張ります。
――セッターとして長い時間コートに立ちました。
不甲斐ないプレーが多かったけど、経験することが大事だと思います。何事にも全力でしっかりやることを意識しました。
――明日から決勝トーナメントです。
狙っているのは優勝です。昨年の借りを返す意味でも、優勝を目指して戦います。リーグ戦は苦しい時期も過ごしてきたので、その思いを晴らすべく一戦一戦を戦っていきたいと思います。
感傷的な文章が許されるなら、このままいつまでも見ていたいと思わせるような、そんなメンバー構成での一戦だった。今シーズン限りでの引退を発表している金丸と袴谷、そして、退団する柳澤が同時にコートに立った。道井が公式戦でこれだけ長い時間トスを上げるのも、今シーズン初めてのことだ。袴谷が言う。
「この大会が最後というのはあまり考えていなくて、いつもと同じように準備をしてきました。それでも、試合をしていく中で『これで終わるんだな』と思いましたし、でも、まだ明日から決勝トーナメントがはじまるので、できなかったところは次の試合でできるように頑張ろうと思いました」
第1セットはジェイテクトSTINGSが先取した。序盤は柳田のスパイク、陳のブロックなどで3連続得点。劣勢を跳ね返すと、柳澤が的確にサイドアウトを切っていった。袴谷も調子を上げ、得点を加算。陳のクイックが決まって、3点のリードでテクニカルタイムアウトを折り返した。
一時は14−14と同点に追いつかれたが、ジェイテクトSTINGSは慌てない。主将の本間が声でチームを引っ張った。柳田の的確なハイボールを、柳澤がうまく打ち込んで15−14。その後も佐藤のクイックなどで粘り強く得点を重ねていく。
19−20から3連続得点を奪い、逆転に成功した。ネット際に上がったボールを佐藤が片手でたたき落とし、チームを勢いづけた。粘るパナソニックパンサーズに追いつかれたが、柳田がサイドアウトを切ると、袴谷のサービスエースでセットポイント。最後は柳澤が返したボールが相手コートに落ち、25−22で逃げ切った。
続く第2セットは、佐藤に代わって金丸が、河東に代わって道井がコートイン。しかし、立ち上がりは連携が噛み合わず、パナソニックにペースを握られた。口火を切ったのが柳田だ。バックアタックで嫌な流れを断ち切ると、リーダーシップを発揮してチームメイトを鼓舞し続けた。
途中から入った藤中も、チームを勢いづけた。13−19から3連続得点。柳澤のバックアタック、道井のブロック、金丸のサービスエースでビハインドを3点に縮めた。藤中がキレのあるスパイクで確実にサイドアウトを切っていく。柳澤のブロックも炸裂。20−25でこのセットを落としたが、選手の目は輝きを失っていなかった。
第3セットも落としたが、最後まで懸命に戦った。袴谷が何度もライトからスパイクをたたき込んだ。要所で柳澤も決めた。金丸はネット際で存在感を発揮し、相手にプレッシャーをかけ続けた。
道井のブロックで8−7と一時はリードを奪った。守備ではリベロの高橋がボールに食らいつき、藤中も一心不乱にトスを呼び込んだ。中盤まで拮抗した試合を展開した。しかし、9−9から4連続失点。流れを取り戻すことができず、15−25で敗れた。
「久しぶりにコートに入って最初は緊張もしましたが、試合が進むにつれて『もっと元気にやれよ』と鼓舞してくれた人がコートにいました。今シーズンで引退、退団する3人と一緒にバレーができて、負けはしましたけど楽しくバレーができました」
道井は試合後にこう振り返った。明日の準々決勝の相手は東レに決まった。試合開始は14時。万全の準備をし、チャレンジ精神を持って臨みたい。
フェデリコ・ファジャーニ監督
――メンバーを入れ替えての試合になりました。
今日出たメンバーで勝ちにいきました。全員が勝つためにプレーしてくれて、一生懸命戦ってくれたと思います。
――選手を休ませることができました。
その通りです。そこがすごく重要なところで、明日の準々決勝に向けて、これまで試合に出ていたメンバーを休ませる意図もありました。
――選手をどのような言葉でコートに送り出しましたか?
1、2戦目のように、スタートから攻めていくように伝えました。セットごとにメンバーを代えたのでなかなか安定したプレーができませんでしたが、その中でも選手は一生懸命取り組んでくれたと思います。
――明日の準々決勝は東レが相手です。
明日はベストのメンバーを送り出します。そのためのマネジメントをしてきました。全力で勝ちにいきます。