2022-23 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第26戦
パナソニックパンサーズ
3
2
ジェイテクトSTINGS
2 深津 英臣
4 大竹 壱青
10 山内 晶大
13 ミハウ・クビアク
15 大塚 達宣
23 エバデダン・ラリー
L
16 伊賀 亮平
4 福山 汰一
8 柳田 将洋
9 村山 豪
10 ティネ・ウルナウト
12 関田 誠大
14 西田 有志
L
21 高橋 和幸
5 渡辺 奏吾
7 垂水 優芽
8 仲本 賢優
L
17 永野 健
18 西山 大翔
19 西川 馨太郎
20 新 貴裕
1 藤中 優斗
3 陳 龍海
6 河東 祐大
7 柳澤 広平
11 袴谷 亮介
L
17 本間 隆太
20 都築 仁
――負けはしましたが、素晴らしい内容でした。
まずは率直に悔しい気持ちです。ファイナル4に向けて先々週からの勢いそのままに、昨日の3−0からきましたが、相手の質の高いバレーボールに自分たちが少し劣ってしまうところがありました。そこが全ての敗因ではないですが、そこをキープしてバレーボールをしていかないと上位には食い込めません。僕自身がそれを痛感したし、だからこそ、その課題を乗り越えることでまた来週に向けていいバレーができるんじゃないかとも思いました。
――相手がサーブで勢いに乗ってきました。レセプションはどうでしたか?
ターゲットがローテーションと相手の打つ選手によって様々だったので、あまり寄せすぎないようにしたり、でも、打たせたい状況ではなるべくリベロに触ってもらうなど、そういうところも探りながらやっていました。もちろんサービスエースを取られることもあったけど、そこはスキルの問題だと思います。サントリーもサーブがいいチームなので、僕たちは自信を持ってやっていくだけです。
――ポジティブな要素もあったと思います。
フルセットまでカムバックできたところはよかった点だと思います。最後のセットをしっかり取り切るところなど、来週も同じような展開になると思うので、課題をしっかり克服して臨みたいと思います。
――試合を振り返って。
これまでは2点差を取った試合が多かったけど、今日は2点差のセットを取り切れなかった。そこが敗因だと思います。序盤がよくなかったことと、昨日より自分たちのミスが多く出てしまいました。
――個人的なパフォーマンスは?
そこまで悪くなかったと思いますが、もう少しトスを呼んでサイド陣を楽にできる場面はありました。もっとトスを呼び込むことを意識してやっていきたいと思います。
――ポジティブな要素は?
序盤で先行されても最終的に追いついて、あと一歩というセットもありました。それくらいの力はあると思います。出だしからもう一度、全員で意思疎通してやっていきたいと思います。
――来週は岡崎でホームゲームです。
まだファイナル4に進める可能性はあるので、今日の負けを引きずらず、サントリーさんを相手に自分たちのバレーをして、最後はファンの皆さんに楽しんでもらえるように頑張ります。
第5セット12−14、村山が気迫のこもったクイックを決めて1点差に迫った。ここでサーブが回ってきたのが西田だ。いやが上にも緊張感が高まってくる。スタンドから低いどよめきが沸き起こった。誰もが思ったはずだ。西田ならサービスエースを決めてくれるんじゃないかと。ボールを持った右手を前に出し、いつものように息をフッと吐く。しかし、鋭い回転がかかったボールは無情にもエンドラインを割った。チャレンジでも判定は覆らず、パナソニックパンサーズの勝利が確定した。
「1セット目はパナソニックさんに勢いがあって取られてしまったが、勝負どころで自分たちが点を取り切れる場面もたくさんありました。その中でフルセットに行って、最後まで競り合った状態でしたが負けてしまった。それでも、プラスになるものはすごくあったんじゃないかと感じています」
試合後、西田は記者会見でこう振り返った。その言葉通り、プラスになる材料の多い試合だった。
3−0で勝った翌日の一戦、なおかつコンディションの懸念もあった。試合の入り方が心配されたが、しかし、チームの集中力は高かった。勢いをつけたのが柳田だ。バックアタックでラリーを制した。さらに6−8から4連続得点。セッターの関田は、ウルナウト、西田、そして柳田とバランスよくトスを配球した。後半はレセプションの乱れから連続失点を喫したが、西田を軸に立て直すこともできた。19−25で第1セットを失ったものの、内容は互角だったと言っていい。
第2セットもデュースにもつれ込む接戦を演じた。口火を切ったのはやはり柳田だ。序盤にブロックでブレイクポイントを獲得。その後も強烈なスパイクで確実にサイドアウトを切っていく。ウルナウトの援護射撃で同点に追いつくと、西田のサービスエースで13−11。今度は西田にトスを集めて粘り強く得点を重ねていく。先に均衡を破ったのはパナソニックの方だった。柳田のスパイクが止められて19−21。ここでファジャーニ監督は2回目のタイムアウトを要求した。
試合が大きく動いた。西田のスパイク、柳田のサービスエースなどで4連続得点。23−21と逆転に成功した。一時は同点に追いつかれたが、西田のスパイクで再び引き離す。相手のミスがあって26−25と3度目のセットポイント。最後は西田がネット際で押し込んで、このセットを取り返した。
第3セットは失ったが、それでも見せ場は多かった。ハイライトは終盤だ。まずは16−21から3連続得点。サービスエースなど西田の活躍がチームに勢いをつけた。西田から柳田へと続くサーブの流れも、相手にとっては脅威だったはずだ。西田のスパイクで21−22と1点差。さらにウルナウトがサイドアウトを切ると、西田がブロックを決めてついに24−24の同点に追いついた。最後は西田のスパイクがアウトになったが、両チームともに高いパフォーマンスを披露。文字通りの死闘を演じた。
第4セットは一進一退の展開から、ジェイテクトSTINGSが徐々に抜け出した。立ち上がりは柳田のブロックなどで3連続得点。セッターの関田は要所でクイックを使い、相手の守備に揺さぶりをかけた。柳田のサービスエースでブレイク。ウルナウトが決めて2点のリードでテクニカルタイムアウトを折り返した。
サーブの調子を上げてきた西田がノータッチエースで追加点。さらに鬼気迫る西田が次々とスパイクをたたき込み、ジェイテクトSTINGSが優位に試合を進めていく。この試合、西田は61.1パーセントの高いアタック決定率を残している。バックアタックに至っては27本打って21得点(77.8パーセント)と脅威的な数字をマーク。ウルナウトが連続で決めて24−17とセットポイントを奪うと、最後は相手のミスでジェイテクトSTINGSがセットカウントを振り出しに戻した。
第5セットは追いかける展開になった。西田のスパイクが立て続けに止められた。それでも福山がクイックを決め、ウルナウトがネット際で強さを発揮して僅差をキープ。一時は村山のブロックで6−7と1点差まで迫った。選手同士が接触するアクシデントはあったものの、柳田、西田の得点でパナソニックを追随した。柳田のサービスエースで再び1点差。村山のクイックで13−14。そして、冒頭の場面――。敗れはしたものの、見ごたえのある一戦だった。
「相手がどうであれ、まずは自分たちのバレーボールができるかどうか。僕ならレセプションを含めて高いサイドアウト率を取る。同じように選手一人ひとりに求められているものがあります。そのあとに、相手の対策ができれば、より勝利に近づけると思います」
来週のサントリー戦に向けてこう話した柳田。いよいよファイナル4に向けた大一番は2月25日、ホームの岡崎中央総合公園総合体育館で行われる。
33 points
14 西田 有志
19 points
8 柳田 将洋
11 points
10 ティネ・ウルナウト
66.7 %
9 村山 豪
61.1 %
14 西田 有志
51.4 %
8 柳田 将洋
2 本
8 柳田 将洋
1 本
9 村山 豪
1 本
10 ティネ・ウルナウト
4 本
14 西田 有志
3 本
8 柳田 将洋
フェデリコ・ファジャーニ監督
――試合を振り返って。
難しい試合になることはわかっていました。相手のサーブも我々にとってプレッシャーになっていた。いいプレーをしたパナソニックさんを讃えたいと思います。
――途中で柳田選手とウルナウト選手のポジションを変えました。
第1セットから第3セットまで柳田選手がセッターから遠いところ(ポジション5)、ウルナウト選手がセッターに近いところ(ポジション2)でプレーしていたのは、ずっとそのポジションで練習してきたからです。途中でポジションを入れ替えたのは、レセプションのシステムが一つの理由。また、アタックのシステムを少し変えたかったことも理由の一つです。
――負けはしましたが、ポジティブな要素もありました。
選手たちにも前向きに続けるようにと伝えました。今日の出だしはよくなかったけど、第4セットからサーブやカウンターアタックの数字を少しずつ上げることができました。落としたセットも、接戦が続いて粘り強いプレーを見せることができたと思います。苦戦したレセプションが改善点の一つ。また、被ブロックも多かったので、そこは改善していきたいと思います。