2022-23 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第19戦
堺ブレイザーズ
0
3
ジェイテクトSTINGS
1 松本 慶彦
2 樋口 裕希
7 出耒田 敬
9 迫田 郭志
13 シャロン・バーノンエバンズ
17 深津 旭弘
L
20 山本 智大
1 藤中 優斗
4 福山 汰一
9 村山 豪
10 ティネ・ウルナウト
12 関田 誠大
14 西田 有志
L
17 本間 隆太
4 高野 直哉
5 堀江 友裕
11 重留 日向
14 山口 頌平
21 竹元 裕太郎
22 赤星 伸城
23 鵜野 幸也
2 金丸 晃大
3 陳 龍海
6 河東 祐大
7 柳澤 広平
11 袴谷 亮介
L
21 高橋 和幸
――いいところでクイックが決まっていました。関田選手とはどんなやり取りをしていたのですか?
関田選手なりに考えてくれるので、特に試合中のやり取りはありません。例えば、(相手の)ヘルプが強かったらAクイックを打ったり、Aクイックに入ったときにレフトの選手がヘルプで来るならターンして打てるところにトスをくれる。関田選手なりの判断があるので、あとはこっちがブロックを見て打ち分けるだけです。
――勝っている中で、あえて課題をあげるとすると?
うちのチームはサーブが大事になってくるので、サイドアウトとサーブですね。その中で、タッチしたボールをいかにブレイクにつなげるかが大事になる。一戦一戦気が抜けないですけど、選手一人一人がうちの形を認識した上で変なミスを減らしていけば、もっと勝利に近づいていくと思います。
――明日の試合に向けて。
今日はうちがよかった分、明日は苦しい試合になるかもしれません。目の前の1点1点を勝ち取っていけるように頑張ります。
――サーブが走った試合では、どんなことを意識しますか?
イージーボールやダイレクトボールをいかにスパイクに持っていくか。チャンスを得点につなげることを意識して、ダイレクトボールのコールや隣との関係を毎回話し合うことは意識しました。
――いい点の取り方が多かったですね。
みんな我慢強くプレーしていました。打てる選手が多くいる中で、1本目のパスやディグを綺麗にあげることを意識してやっていけば、うまくトランジションが取れるというのは試合をやっていくうちに感じるようになります。
――試合中は頻繁に周りの選手とコミュニケーションを取っていました。
思ったことを伝えています。トッププレーヤーが多く、あの人たちも情報がほしいと思っている。自分が持っていることをしっかり伝え、情報を共有しながら、相手に対してどう戦っていくかをみんなで考えながらやっています。
――明日に向けて。
とにかく全員で戦う意識を持ち、決めてくれる選手がいるので、そこを信用しながらみんなで戦って勝利をつかみ取りたいです。
サーブではじまりサーブで終わった一戦だった。西田はサーブで5得点をたたき出し、サーブ効果率は31.8パーセント。ウルナウトも4得点で25.0パーセントの高い数字を残している。昨シーズンの4試合、そして、今シーズンの前半2試合とリーグ戦6連敗中の堺ブレイザーズにストレート勝ち。V・ファイナルステージの進出に向けて、大きな自信につながる、大きな、大きな一勝だった。
西田がサーブで第1セットのリズムをつかんだ。まずは強烈なサーブで相手を崩して、ウルナウトのスパイクをお膳立て。さらに鋭い回転がかかったサーブで相手を弾き飛ばしてサービスエース。藤中の好レシーブからバックアタックを決めて、5−2と先行した。
我慢の時間が続くが、福山のクイックで粘り強くサイドアウトを切った。藤中も強烈なジャンプサーブで攻めの姿勢を見せる。3点のリードでテクニカルタイムアウト。セッターの関田も、バランスよくトスを散らした。追い討ちをかけたのがウルナウトのサーブだ。相手のリベロに狙いを定めてサービスエース。リードが4点に開いたところで、堺は1回目のタイムアウトを要求した。
村山はジャンプサーブとフローターサーブを打ち分け、前後に揺さぶって相手がスパイクに入るコースを消した。ベンチの動きも早かった。17−14とリードが3点に縮まったところでタイムアウトを要求。19−15の場面では袴谷を投入し、これが吉と出る。サイドラインいっぱいを狙ったサーブが決まってブレイク。これでこのセットの趨勢を決めた。
ウルナウトのサービスエースがトドメの一撃になった。藤中のスパイクでセットポイントを奪うと、陳が関田に代わってコートイン。最後はウルナウトのトスを西田が決めてフィニッシュ。第1セットを25−18で制した。
第2セットのハイライトは後半だ。中盤は堺の樋口に立て続けにサービスエースを決められて13−14と1点のビハインド。西田のスパイクで悪い流れを断ち切ると、再び一進一退の展開に持ち込む。福山のBクイックで16−16。藤中が難しいボールを上げると、関田のハイボールをウルナウトが打ち抜いてブレイク。逆転に成功した。
圧巻は19−18で西田にサーブが回ってからだ。息をフッと吐く。いつものルーティンから強烈なサーブをたたき込んで20−18。ウルナウトのレシーブから西田がバックアタックを決めて1点を追加。バーノンのスパイクをウルナウトが止めて22点目、ここで堺が2度目のタイムアウトを要求する。西田のこの日3本目のサービスエースで勝負あった。最後はウルナウトがバックセンターからフェイントを落とし、25−20で2セットを連取した。
第3セットも西田のサービスエースでリズムをつかんだ。藤中も積極的に攻撃に参加。西田のハイボールをアタックラインの後ろから見事に打ち切った。村山も吠えた。クイック、ブロックで立て続けに3連続得点。完全に試合の主導権を握った。藤中のスパイクが相手のブロックに捕まる場面もあったが、福山のクイックで流れを取り戻した。相手のサーブに対して、本間がうまくカバーに入る場面も見られた。相手にリードされても、落ち着いて試合を進めていった。
一時はビハインドが最大3点まで広がった。しかし、ジェイテクトSTINGSの集中力は凄まじかった。19−22から3連続得点。西田がサーブで攻め、自らのバックアタックでブレイクポイントを奪う。ウルナウトが続いて同点に追いついた。1点を返されたが、西田のバックアタックで23−23の同点に。ここからはウルナウトのワンマンショーだ。連続サービスエースでフィニッシュ。25−23と逆転でこのセットを制し、ストレート勝ちを収めた。
後半戦のスタートを会心の勝利で飾った。サーブを含めて20得点の西田はVOMインタビューで「自分にできるパフォーマンスを出し切ることが自分のプレースタイル。それを今日もしっかりできたことはうれしく思います」と言った。順位の上でもパナソニックを抜いて5位に浮上。4位の東レまで1勝差に縮めた。いよいよ上位の背中が見えてきた。
15 points
14 西田 有志
9 points
10 ティネ・ウルナウト
8 points
1 藤中 優斗
77.8 %
9 村山 豪
70.0 %
4 福山 汰一
57.7 %
14 西田 有志
2 本
9 村山 豪
1 本
10 ティネ・ウルナウト
5 本
14 西田 有志
4 本
10 ティネ・ウルナウト
1 本
11 袴谷 亮介
フェデリコ・ファジャーニ監督
――サーブが走りました。
サーブが機能していたので、堺のバーノン選手は難しい状況でスパイクを打つことになりました。他のアウトサイドヒッターのアタック決定率も50パーセント以下に抑えられたと思います。ブロックの位置取りもよく、相手のスパイクをディグで上げることも多かった。また、ほとんどすべてのローテーションでブレイクポイントが取れていました。何より最後まで諦めなかった。これがとても重要なことです。
――フローターサーブを打つ選手に求めていたことは?
堺にはオーバーでのパスが得意な選手が多いので、できるだけ揺さぶるように指示を出しました。
――明日に向けて意気込みをお願いします。
明日は新たな試合になりますが、今日に引き続いていいスタートが切れたらと思います。修正できるところは修正し、明日もいい試合ができるように頑張ります。